考砂ブログ

日々の思考さらさらと

新卒4ヶ月で辞めた原因と後悔。20年経った今だからこそわかること。

新卒入社した会社を4ヶ月で退社。

4月に入社して、8月に辞表を出したので、勤務期間はわずか4ヶ月ばかりだった。

2005年卒で、今は2025年。あれから実に20年の月日が経った。

42歳になった現在の私は、それなりに楽しく生活している(あくまで主観だが、主観は大事である)

当時のことを振り返って一度文章にしてみようと思った。

長々と自分語りするのも何なので、

まずは新卒4ヶ月で退職に至った経緯と原因を、一気に過剰書きしてみようと思う。

 

 

 

新卒4ヶ月で辞めるに至った経緯、理由。

  • 学生の時点で、そもそも「社会人なんてなりたくない」と思っていた。
  • 「自分の好きなことで食っていけたらな」という甘っちょろい曖昧な願望だけがあった。
  • でも、周りは就活しているし、結局自分も夢なんて見ず、就職するしかないんだな…という諦めモード。
  • そんな気持ちで、良い就活ができるはずがない。
  • 自己分析も企業分析もテキトー。エントリーシートは片手で数えられるくらいしか書かなかった(記憶では確か、応募したのはたった4社。笑ってしまう)
  • そんな怠惰な就活の結果、内定をもらえたのはエンタメ業界の営業職と、食品メーカーの営業職。
  • 無難に食品メーカーに行けば良いものを、エンタメ業界への入社を決める。
  • この業界の待遇が厳しいのは日を見るより明らかだったし、もちろん詳細は入社前からわかっていた。
  • 隔週2日休み。残業代なし。ボーナス無し。手取り13万円。営業用の車は自家用車を持ち出し。(今考えてもけっこうヘヴィである)
  • にもかかわらず、「俺は好きなことに仕事として携わっている!」という中途半端な自己肯定感と、他者評価への歪な欲求が、このブラック待遇への冷静な判断を失わせてしまった。
  • 言い換えれば「やりたいことで生きるなんて無理。でも好きなことには片足を突っ込んでるよ」…そんなスマート?な自分を周囲に見せるための就職だったのである。
  • そんな気持ちで入社して、仕事に身が入るわけがない。
  • 基本業務の習得、上司や先輩との付き合い、取引先とのコミュニケーション、同僚との競争などなど…新社会人なら誰もが1度はぶつかり、2〜3年かけてなんとか乗り越えていくはずの壁に、立ち向かうことをせず、逃げた。
  • 先輩や上司は皆優しかった。パワハラらしいこともなかった。

 

…20年も経つとそれなりに客観的に書けるものである(愚かすぎて呆れてしまうが)

また、年月が過ぎ、冷静に思い返すからこそ、「こうすべきだったな」とわかることもある。過去は変えられない。けれど今現在、新卒で入った会社に不安を感じている人、なんとなく就職したものの何かに挑戦したいこと、どうしてもやりたいことがあり、このままで良いのだろうかと迷っている人にとって、ほんの1ミリでもヒントになればという思いから、この文章を書いている。

 

 

 

新卒4ヶ月で辞めて20年経った今だからこそわかる「こうすればよかった…!」おすすめしたい2つの処方箋。

「好きなことを仕事に求めるのはそんな簡単なことじゃない」と、20年前の青二才な自分に言ってやりたいところだが、何より大切なのは、好きなこと、やりたいこととの向き合い方だと思う。大学4年の私は「就職したくない、社会人になりたくない」というネガティブな欲求を正当化するために、自分の好きなこと、夢を利用してしまった。そうではなく、もう少し戦略的に、頭を使って(本当に短絡的でアホだったから)自分のライフスタイルを1からじっくりと組み立てていくべきだったのだと、20年経って痛感している。そのための方法を2つ挙げてみたい。

 

⑴社会人で働きながら、やりたいことと両立する人生。

これが最も現実的で正攻法だと思う。仕事は仕事と割り切るのは寂しい気もするけれど、お金を得るための行為とはほとんどがそういうものだし、特に新入社員時代は覚えることだらけ、慣れないことだらけで仕事を面白がる余裕もない(私はそれから逃げたわけだが)そんな状況でも、プライベートにやりたいことに打ち込める生活は、仕事での能力発揮、会社での過ごし方にも必ず良い影響を与えると思う。

今働いている会社のライフワークバランスが安定している人は実現しやすいと思うし、もし新卒入社したのがブラック企業で、過重労働やパワハラのストレスで好きなことどころではなく、このままでは潰れてしまうという人は、ぜひ第二新卒でもう一度自分に合った会社を探してみてほしい。再度の就活はメンタル的にもきついが、長い目で見ればきっとこの方が良い。私の友人も半年で新卒を辞めて、第二新卒で再就職し、そこから20年間一度も転職せずに勤続している人がいる。家庭を持ち、プライベートでは趣味の筋トレを存分に楽しんでいる。

 

もしも私がタイムリープできるなら、23歳の私に「好きなことはひとまず置いといて第二新卒で転職しろ。営業とかコミュニケーションが求められる職種でなく、お前に合った一人の時間が多い配達業、運送業選べ。今の俺はそれで安定して働いている。その仕事に慣れてから、徐々に好きなことを余暇でやれ。それが1番良い」と頭ごなしに伝えると思う。

それにたいして20年前の私が「そんなことはしたくない。今すぐに挑戦したい。バイトしながらでもいいから」と言うならば、じゃあ…と言うことで2つ目の処方箋である。

 

⑵今すぐ挑戦したい人は、バイトしながら時間を味方につけ、とことん没頭する(期間限定)

本当にやりたいことがあるなら、就職という選択肢を一度棚上げし、期間を決めて(3年とか)徹底的に挑戦してみるのも一つの手だと思う。若ければアルバイト雇用でも目当ての業界に身を置ける可能性が高い。きわめて低収入かもしれないが、働きながらスキルや知識を得ることもできる。もしその道に進むことができなくても、20代のうちなら方向転換も可能。正社員経験がなくても、再就職なんとかなる。

…かといって、安易にいわゆる「夢追いフリーター」になれば良いのかというと、そうでもない。私は新卒4ヶ月で辞めて、一人暮らしでバイトしながらやりたいことに打ち込んだのだが、生活費のためにバイト漬けになるし、全てを集中できる環境は作れなかった。さらに、ここでもまた「バイトしながら貧乏でも好きなことを、夢を追っている」と言う一つの型にはまることで安心しようとしていたのだと思う。

よって、私が強く提案したいのは、世間体などは無視して、実家にいながら週3くらいの単発や時短のバイトして、家計に少額でもお金を入れて、圧倒的な時間を味方につける。やりたいことにとことん集中できる環境を作り、3年間やってみる。と言うものだ。ジャンルによるだろうが、そうやって過ごす3年間は、その先の人生で絶対に無駄にならない。直接ビジネスに役立つものばかりではないだろうが、人生を豊かにするための土台作りになるはず。

 

まとめ。

20年前の自分について長々と書いてみると、本当にバカだったなと呆れてしまいつつも、不思議とすっきりとした気持ちになった。当時の私も、私なりにがむしゃらに真剣に考えて行動したのだろう。正解ではなかったが、行動しなければ前には進めなかった。今あの頃の自分に戻ったとしても、きっと同じ決断をしたと思う。そう客観的に見れるくらい、月日が流れたのだ。時間は残酷だが誰にも平等で優しい。

そうやって4ヶ月で新卒辞めた私は、やりたいことのために上京し一人暮らしを始め、3年経って挫折、30歳手前で再就職、30後半でやはり社会人には向いてないと、小さな事業を始め、無理がたたって体を壊し、現在やっと自分に合った会社に勤めて、それなりに楽しく生きている。紆余曲折とはこのことである。

(その辺の話はまた別記事にて…)